「医工連携」という言葉を聞いたことはありますか?
今日の医療を支える技術開発において、重要なキーワードのひとつになっています。
医工連携とは
医療に関する技術を新たに開発したり医療分野で新事業を創出する際に、工学分野が持っているテクノロジーの活用が有効な場合があります。
そこで、医学分野と工学分野が連携して医療機器等の開発を進めることを医工連携といいます。
この医工連携にあたっては、同じ大学内の医学部と工学部が連携して進めることもあれば、違う大学と連携して進めたり、産官学が共同で進めることもあります。
当サイトを運営している株式会社河野製作所でも大学や自治体と連携して新製品の開発を推進しています。
医工連携の歴史
国内の医工連携の歴史は1929年に東北大学の佐藤彰教授(医学部)と抜山平一教授(工学部)が電気聴診器を共同開発したのがはじまりだと言われていますが、研究のスタイルが異なる医学部と工学部の連携は簡単には進みませんでした。
しかし2000年代に入り国家戦略として打ち出されるようになってから医工連携による研究が急速に進みだし、現在ではニュース等でも頻繁に取り上げられるくらい成果が現れてきました。
特に、2013年に第2次安倍内閣によって閣議決定された「日本再興戦略」で構想が打ち出され、2015年に発足した「日本医療研究開発機構(略称:AMED)」が基礎研究から実用化までの環境整備に取り組んでおり、自治体による支援も活発になってきています。
日本医療研究開発機構
IoTの発展と医工連携
最近では、広島県の産業用計測機器メーカーがスマートフォンを操作や画像確認の端末として活用する超音波画像診断装置(エコー)を開発したとのニュースもありました。
今日の日本は国内の医療機器市場の規模が約2.8兆円と言われる中で、1.3兆円分を海外から輸入している輸入大国です。
日本のものづくり企業が持つ技術とインターネットテクノロジーが医療分野とつながることで、もっと多くの日本発医療機器が世界で活躍できるようになるのではないかと感じています。
参考サイト:
http://www.ms.tohoku.ac.jp/history/
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2483593019122017LC0000/