『パパが育休1年取ってみた!』男性社員の育休事例

育児・介護休業法の改正により、2022年4月そして10月と、段階的に男性の育児休業(以下育休)取得を促す様々な新制度が施行されました。今年の4月にも更なる変更が予定されており、社会全体で男性の育休取得を推進していることがうかがえます。当社でも男性の育休取得を推進しており、実際に取得した社員も複数名在籍しています。そこで今回は、当社の男性育休事情について、社員へのインタビューとともに皆さんにご紹介することにしました!

目次

まだまだ発展途上?日本の男性育休事情

育休取得率は13.97%

厚生労働省が発表している「令和3年度雇用均等基本調査」(※)によると、令和2年度の男性の育休取得率は13.97%でした。年々増加傾向にあるものの、まだまだ低い数値と言えます。

理由としては「男は仕事、女は育児(家庭)」という価値観が未だ根強いことや、「育休をとったらキャリアに影響するのではないか」という不安感が拭えないことなどからくる、”取得しにくい雰囲気”があるように思います。新制度では、育休について説明し取得の意向を個別に確認することを企業へ義務付けるなど、そういった事態の解消も進められています。

育休期間は「2週間未満」が半数超

男性の育休期間をみると最も多いのが「5日~2週間未満」で 26.5%、次いで「5日未満」が 25.0%、「1か月~3か月未満」が 24.5%であり、2週間未満が5割を超える結果となっていました。

長ければ良いわけではありませんが、ここでもやはり女性にかかる育児の負担が重いことがうかがえます。一方で、育児に向き合いたくても「仕事に穴をあけられない」という理由で長期取得が難しい人も多いように思います。企業は制度を整えるとともに、本人とその周りの人間の両方が安心して育休を迎えられる仕組み作りが必要なのかもしれません。

(※)参考資料:厚生労働省「『令和3年度雇用均等基本調査』の結果概要」

『育休1年、どうだった?』男性社員たちの本音座談会

社会的に男性育休を推進する流れが生まれているとはいえ「男性で育休を取った人が身近にいない」「実際会社の雰囲気ってどんな感じ?」など、まだまだ不安に感じる方も多いはず。当社では実際に育休を取得した男性社員が在籍しており、復職した現在も活躍しています。実際に育休の取得を決断してからどのような日々を過ごしたのか、男性社員3名にインタビューを行いました。

育休を取得しようと思ったきっかけは?

-本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、育休を取得しようと思ったきっかけについて教えてください。

Dさん 家庭の方針で保育園には通わせていないこともあり、2人目以降は妻の負担が大きいと感じました。家族のため、制度があるなら使いたいと思い、取得を決めました。期間はできるだけ取ろうと思い、1年取ることにしました。

Tさん ぼくも同じですね。上の子がまだまだ手のかかる時期で。保育園にも通わせていないので、妻の希望もあり取得することにしました。期間は家族と相談の上半年にしました。

Yさん ぼくの場合は少し違っていて、自分が父親になるにあたって、育休は絶対とりたい!と昔から考えていたんです。生まれたその日から24時間育児に参加して『育児のレベル1』を経験することで、これからの子育て全ての土台となるものを作りたいと思いました。期間はぼくも取れるだけ取ろうと思い、1年取得しました。

-Yさんの子育てへの関心の高さがすごい!素晴らしいですね。皆さん育休期間が一般的な取得期間と比べてかなり長いですが、不安などはなかったのでしょうか?

Tさん ぼくたちはあんまりなかったのですが、そういう人は多いでしょうね。なのでこうやって皆が長期間育休を取得して復職後にまた活躍することで、本来権利であるはずの育休によって自分の居場所がなくなってしまうと考えたり、「会社に迷惑をかけられない」と自己犠牲をしてしまったりすることがなくなるんじゃないかなと思います。

会社の雰囲気はどうだった?

-実際に取得したいと会社に伝えたときはどんな雰囲気でしたか?

Dさん 私は育休を2回取得したのですが、1回目にとったのは社内で3番目で、かなり早い方でした。そういった事情もありお互いに少し手探りなところはありましたが、嫌な雰囲気はなく快く受け入れてくださり、とてもありがたかったです。

Tさん 会社に言うのが結構ギリギリになってしまったんですが、そこも含めて快く受け入れてくれましたね。ぼく自身、妻から相談を受けたときに育休が普通の選択肢として浮かんだので、男性が育休を取るというのは自然な流れとして受け入れられているんだと思います。

-Tさんはあと2週間ほどで育休に入られるんですよね。今は結構バタバタですか?

Tさん いやそれが、直近の1か月はもう暇で暇で(笑)。会社に伝えたときから、スムーズに育休に入れるように徐々に業務量は調整していただいています。

-えー、すごい!それは本当にありがたいですね!

Yさん ぼくはもともと育休に関心があったので、子どもができる前に会社に質問したことがあったんです。そしたら「推奨したいけどあんまり取る人がいないから、良かったら取ってください」と言われて。なので実際に取るときの言いづらさはあまりなかったですね。これまで現場(工場)で育休を取った男性がいなかったので、前例を自分が作ることができて良かったのではないかと思っています。また、普段あまり話す機会のない方が「育休とるの?応援してるよ!安心して戻ってきてね」と話しかけてくださったこともありました。それはものすごく嬉しかったので、よく覚えています。

育休中の生活はどうだった?

-なんだか素敵なお話がどんどん出てきますね!実際に育休に入られてからの生活はいかがでしたか?

Dさん 上の子2人の面倒をみていました。6歳と3歳なのですが、親子スイミング、親子体操、公文など色々習い事をさせているので、毎日忙しくしていました。あとは色んなところに遊びに行きましたね。公園はほぼ毎日行きましたし、ハイキングとか雪遊びとか。旅行にも行きました。1年あったので本当に色々な経験ができて、とても楽しかったです。

Yさん 『育児のレベル1』を経験するためにも性別上できないこと以外は全部やろうと思って臨みましたが、それでも思っていたより仕事が多くて大変でした。妻との役割分担がうまくいったり、徐々に自分の中でのルーティーンができていったりしたことで、段々と色んなことに対応できるようになっていきましたね。

育休期間中のエピソードは?

-長期間の育休を取得されたお2人ならではの生活ですね!特に印象に残ったエピソードはありますか?

Dさん 去年の冬に軽井沢に行ったんですが、すごく雪が降っていて。子どもは初めて雪をみたので大喜びして一日中外で遊んでいたのが印象に残っています。かなり寒かったですが、楽しそうにしていて嬉しかったですね。あとは、自分の中で育休期間中に子どもと達成したいことを決めていて。今回は「長男が自分で泳げるようになること」を目標にしていたのですが、見事泳げるようになりました。

Tさん ああ、それいいですね。ぼくもなんか目標決めようかな。

-ぜひぜひ!復帰されたらそのお話も聞かせてください(笑)

Yさん ぼくは幸運にも出産に立ち合うところから経験できたんですが、そこから寝返りができるようになって、方向転換も色々できるようになって。ハイハイがなかなかできなかったけど、いつの間にかできていて、そのうちつかまり立ちしだして、気づいたら伝い歩きしていて。1年間1日中一緒に過ごしていたので、何もできないところからいろいろできるようになったその過程が全て印象的です。毎日一緒にいて1日中みることができたのは、本当によかったと思います。

復職後、働き方の変化は?

-素敵なエピソードをありがとうございます。育休を経て復職された今、働き方に変化はありますか?

Dさん 1年お休みを頂いた分、会社に貢献したい気持ちが高まっています。復帰間もなくでプロジェクトやアメリカ学会の対応など色んな業務にチャレンジさせていただいているので、頑張りたいですね。また、基本的にはリモート勤務OKなのですが、お休み中に移転して新しくなった営業所が働きやすいので、ほぼ毎日出社しています。

Yさん 復帰してまだ1か月ほどなので、今は徐々に慣らしているところです。育休中に学んだことは、「ミルクをあげる」という育児ひとつでも、そのためにしなければならないことがたくさんあるということ。仕事においても見通しをつける、工程を洗い出すということを意識できるようになったかなと思っています。こういった育児で身につけた感覚を、仕事にフィードバックしていきたいです。

-Tさんはこれから育休に入られるということですが、いかがでしょうか。

Tさん そうですね。自分がどうなるかはまだわからないですが、うちの会社はどんどん変化しているので、復帰する頃にはきっともっと環境が良くなっている気がします。半年もお休みをもらうのは初めてなので、戻ってきてどんな風に変わっているのか、今から楽しみです。

おわりに

Dさん、Yさん、Tさん、ありがとうございました!

育休1つとってみてもその背景は人によってバラバラで、それぞれの環境にいる一人一人を受け止められる組織風土の重要性を強く感じました。当社では、育休をはじめこれからの時代誰にでも起こりうる様々なライフイベントに対し、本人と周りの人間の両方が不安を感じずに働けるような体制づくりを行っています。当社で働くママたちにお話を伺った記事もありますので、ぜひこちらもご覧ください!

(文章:コーポレートコミュニケーション部 森)

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