こんにちは!コーポレートコミュニケーション部の森です。
新工場プロジェクトの中身をお伝えするシリーズ、第2弾です!
今回は、
- 共同プロジェクトとして参画していただいている筑波大学の3名のご紹介
- プロジェクト会議の潜入レポート
- 外部の方から見た当社の印象
の3本立てでお送りしたいと思います!
筑波大学の3名のご紹介
プロジェクトに参加されているのは筑波大学芸術系准教授の渡 和由先生と、先生の研究室で学ばれている伊藤さん、大日向さんの3名。皆さんの専門家としての豊富な知識・経験に基づいたアイデアはとても新鮮なものばかりで、早くもプロジェクト内で一目置かれる存在です。その発想がどうやって生み出されるのかを探るべくインタビューを行ったところ、皆さんの研究活動について、とても興味深いお話を伺うことができました。
つくばの地を舞台に、「場づくり」を実践
皆さんの研究の舞台となっているのが、つくばの土地。渡先生はプレイスメイキング(※)を研究テーマに様々な活動をされています。なんとつくば万博やつくばエクスプレスの開発にも携わられていたのだとか。その後約9年間アメリカでもご経験を積まれ、現在は筑波大学でご指導されながら本を執筆されたり国土交通省からの依頼でプレイスメイキングについて講演されたり、つくばの地を中心に全国で活躍されています。
※プレイスメイキングとは…一人一人にとって魅力的で心地よい居場所を生み出すための概念・手法のこと。渡先生は居心地の良い場の要素として「8つの場の要素」を提唱され、その要素を利用しながら一人一人にとって心地の良い、共存できる枠組みについて実践を通し研究されています。
伊藤さんと大日向さんは、お二人とも大学入学を機につくばに移られたそうです。つくばの多様な人々、歴史、技術の新しさに魅力を感じ、研究の舞台としたとのことで、伊藤さんは「中と外の繋がり」を、大日向さんは「人の活動と居場所」をテーマに、様々な実践を通して研究されています。大学の卒業制作では、伊藤さんはかつて住居だった建物の鉄骨フレームを活用した場づくりを、大日向さんは放置されたガソリンスタンドを活用した展示イベントを実践されたそう。それもご自身でつくばの土地を歩いて思いつかれたとのことで、とても素敵な発想力の持ち主であることがうかがえます。現在は大学院に進み、引き続き研究を進められています。
皆さんがつくばという土地で積まれてきたご経験のお話はとても面白いものばかり。数々の素敵なアイデアの源泉が垣間見えた気がしました。
プロジェクト会議潜入レポート
当社がこのプロジェクトで目指すことは、オープンイノベーション(組織の枠組みを超えた、新製品・新技術の開発)の場を作ることです。今回プロジェクト会議に潜入してみると、このプロジェクトがまさにオープンイノベーションそのもの。
メンバーが作った図面を見ながら全員で色んな意見・アイデアを出しておもしろいものを作ろうとしていて、組織や年代を超えて、様々な立場の人間が一丸となっている姿をみることができました。
この日行われたのは当社社長への中間報告と、外観についての検討。まずは、3Dの図面を用いたデザイン案の共有がありました。図面は伊藤さんが作成されたもの。季節や天気、時間によって変わる外観の雰囲気も再現できる最新のソフトを使って作成されたその図面に、当社全員が興味津々です(笑)。また、これまでの会議でメンバーからあがった色々なアイデアについて、実例の紹介がありました。場づくりを専門とされている皆さんだからこそ熟知している様々な実例が、図面とあわせて大活躍。建物の色の検討や、「こういう取り組みならここのゾーンでできそう」「ここは休みの日に地域に開放してもいいのでは」などといった新工場の具体的な活用についての議論など、会議は大いに盛り上がっていました。
当社が理想とするオープンイノベーションを体現している本プロジェクト。今回の取材で少しだけですが皆さんにもその姿をご紹介できたのではないかと思います。
「お堅い職人さん」じゃない!? 当社の印象の変化
1年近くプロジェクトを共にしたことで、すっかり組織の枠組みを超えた信頼関係を築いている河野製作所のメンバーと筑波大学の皆さん。関係性の深まった今、皆さんが河野製作所のことをどう思われているのか気になった私は、早速当社の印象についてお伺いしてみました。
渡先生「建築は完成したあと、その環境をいかに生かすかが大切です。僕たちが関われるのは完成するまでなので、そこの部分は実際に使う人たちにかかっていますが、河野製作所の皆さんならそれができるのではないかと思っています。というのも、社員さんが設計段階から関わることは普通無いんです。社員さんが絵を描いてくれたり、活用方法について積極的に議論したりしているのはとても新鮮。完成後にその建築を活用し環境を生かせるかどうかは建築に参加しているとしていないでは全然違うので、どんな場になっていくのか今から楽しみです。」
伊藤さん・大日向さん「社員の皆さんがほがらかでとても素敵な環境だと思います。最初は工場ということで『お堅い職人さん』というイメージがあったのですが、実際お会いしてみると皆さん優しく、色んな要素をミックスした働き方をしようとしている姿勢が新しいなと思いました。また、自分たちが作ったデザイン案に皆さんがたくさんアイデアを出してくれるので積極性も感じ、やりがいにも繋がっています。」
なんとも嬉しいお言葉…!ありがとうございます!
新工場を社内全体で生かしていけるよう、私も広報としてプロジェクトのことやメンバーの頑張りをしっかりと発信していかねば、と身が引き締まる思いがしました。
おわりに
渡先生、伊藤さん、大日向さん、取材にご協力いただきありがとうございました。
本記事で紹介しきれなかった興味深い取り組みのお話もたくさんあり、皆さんへの興味は尽きません。私の馴染みの土地・大阪天王寺の憩いスポット「てんしば」についてお話してくださる場面もありました。自分が利用していた場所に関する先生の見解がとても面白く、今までと違った視点でてんしばをみることができました。お気に入りスポットがある方は、ぜひ「プレイスメイキング」の考え方に当てはめてみてください。何の気なしに配置されているようにみえるものが、その居心地の良さの仕掛けになっているのはないでしょうか?