患者さんの人生を「より良くするきっかけ」を作るために―CLASS CLINIC 松本先生インタビュー

形成外科で技術を磨いたのち、美容外科医となり、クリニックを開業された、CLASS CLINIC 松本 茂 先生。
見た目や、美容外科が注目されるいま、日々どのような思いを持って患者さんに向き合っているのかを伺いました。

松本 茂 先生
日本形成外科学会認定専門医・指導医、日本美容外科学会(JSAPS)認定専門医、医学博士。
順天堂大学医学部卒業後、大学院では再生医療分野の研究で博士号を取得。同大学病院にて形成外科、順天堂大学浦安病院 形成外科医局長、順天堂大学静岡病院 形成外科診療部長を経て、ヴェリテクリニック大阪院の院長に就任。
2024年、CLASS CLINIC開設。得意分野としては鼻整形・フェイスリフト・他院修正など。

目次

変化と調和:患者さんの「なりたい姿」に近づける

―美容クリニックにいらっしゃる患者さん方が求められているものと、先生方のセンスを合わせるのは難しいんだろうなと思いながら、いつもSNSの投稿を拝見しています。

僕の考えを押しつけないけれど、でも僕の思っている美的なところとご本人がなりたいところを、どこまですり合わせるか。そこが大事だと思います。

美容外科医として持っているテーマは、変化と調和。一見矛盾しているように思えますが、すごく変えながら自然に見せられるように調和をとることを目指しています。施術後に「元からあまり変わらないから自然だよね」「なんか顔の一部分が目立つよね」というのではなく、全体的な調和がとれている時に、初めて自然という言葉が出ると思っています。だから変えないのではなく、しっかりと変えてそれを整えることが大事だと思います。『ナチュラル整形と激変の共存』これが自分の仕事のテーマとなっています。

―鼻の施術の時は顔全体をすごく見られているんですね。

見ますね。顔のパーツだけしか見ないで施術をすると、患者さんの顔に合わなくなってしまうので。あとはカウンセリングに入ってこられた時の印象とか、髪型とか、格好とか、持っているものとか、メイクの仕方とか。その方がなりたい方向性って、そういうところに現れると思うので、実はさり気なくもしっかりと、そこは見させて頂いています。

クリニック開業に至るまでの道

―CLASS CLINICを開業されてから2年となりました。開業したいと思われたきっかけはありますか

実家も開業医なので、開業のイメージは元々持っていました。大学では10年ぐらい臨床をやりたいと思っていました。僕はいま45歳なんですけれども、40歳半ばには「この仕事で人生の後半を生きていく」というような、ある程度人生の後半戦の目星をつけておきたかったんですね。それで逆算したら、大体40歳前半で開業ということを目指したんです。

中途半端なことをやりたくなかったので、大学の後はヴェリテクリニックに入りました。アジア人の鼻の整形といえば、ヴェリテクリニックの福田慶三先生の名前が拳がるんです。僕も「やっぱりこの人だよね」と名前が拳がるようになりたかったので、だったら現にそうなっている福田先生の下で学ぶのが最短ルートだと思いました。ヴェリテクリニックでは、日本で想定されている美容外科の手術をほぼ全部経験させてもらったんじゃないかなと思います。

―CLASS CLINICは東京駅周辺に合った建物と内装で、こだわりを感じます。

開業する場所は、東京駅が良いなと思っていました。銀座は人が多くて、なんかしっくりこなかったんですよ。僕が大阪院の院長をやっていたこともあって、遠方からの患者さんを迎えるにはやっぱり東京駅、できることなら丸の内側がいいなと。

内装はこだわり切れなかったところもあって、今でも「あそこはこうしておけば良かったな」とかはあるんですけれど。と言いながらも満足しています。毎日自分が好きな場所で働けるのはいいことですね。人を満足させるんだったら、まず自分が満足できないと嫌だなと思ったので。自分にとって居心地がいい場所に人を迎え入れるような感じで考えています。

今の課題はクリニック周辺での認知度を上げていくことですね。周辺で働いているオフィスワーカーの方にも寄っていただけたらなと思っています。

すべては患者さんにハッピーになっていただくために

―美容外科の先生として大事にされていることとは。

患者さんがハッピーになってくれれば。そこがすべてでやっています。だからこそ患者さんのパーツだけ見るのではなくて、全身の雰囲気とか、持っているオーラを見ています。僕は「雰囲気」っていう言葉がすごく好きで。実体がないので曖昧な言葉ではあるんですけれど、患者さんに対しても「こっちの方が雰囲気いいよね」とか、雰囲気という言葉を多用しているかもしれないですね。そういった提案を通して、患者さんの持っているオーラや生活、人生みたいなところを良くするきっかけを作れればと思っています。

—松本先生とお話ししていると、先生が人付き合いを大事にされていると感じます。

僕も人に自分を育ててもらっていて、他の人がしていない経験を色んな方にさせていただいていているので。20歳くらいの時、タイのバンコクにある世界トップクラスのサービスで有名だったオリエンタルホテルに「世界で一番に選ばれたホテルのサービスを経験しないと、そのサービスを仕事でできないから」と言われて、大学の理事長に連れて行ってもらったことがあります。今考えるとありがたい経験ですね。

―経験して良かったことや、いまご自身の武器になっている経験はありますか。

一つはアートに興味を持つことですかね。その人の美や、その人がどうなりたいのかというところに関わるには、アートのようなまだ科学的ではない部分に目を向ける、そこの感性を磨くというのは結構大事なことかなと思います。

ありがたいことに、そういう文化的なことに日常的に接する家で育ったので、良い絵とか有名な方の絵とかは身近でした。絵だけでなくて、彫刻でも音楽でも良いと思うんですけれど、そういった感性を研ぎ澄ますのも大事じゃないかな。

―そういうご経験があるからこそ、患者さんの雰囲気が見えるんですね。

でもやっぱり形成外科医は、器用じゃなかったらできない世界だと思います。形成外科に入るときに、先輩に「器用自慢しかいないから、自分が器用だと思っていないなら諦めた方がいいよ」って言われて。僕は器用な方なので、右手の方が得意ですけれど、お箸やはさみも左手で使えて、手術も両方の手でできるんですけれど。そのあたりは若い時のトレーニングもあるかもしれないですね。

僕の父からは、手術の基本である糸結びを運転している時に練習していて、信号で止まるたびにハンドルに糸を結んでいたと聞いていました。だから大学病院で勤務していた時は僕の車のハンドルにも、糸結びの縄が何百本とフリンジみたいに垂れ下がっていて、ハンドル一周分結んだら切って、また結んでを繰り返していました。何十万、何百万回と、信号を見ながら、手元はずっと動かしていました。

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